ホンダは2012年11月1日、軽自動車「N-ONE」を発表した。
N-ONEの技術面で注目されるのが、ターボチャージャ搭載車種である「N-ONE Tourer」において、「ダウンサイジング過給」を取り入れたと主張している点だ。
ダウンサイジング過給とは、エンジンの排気量を減らしながらも、加速時に必要となるトルクはターボチャージャやスーパーチャージャのような過給器を用いて得るという、エンジン開発のコンセプトである。
ホンダによれば、「従来の軽自動車では、ターボチャージャ搭載車種は、単なるハイパワーバージョンにすぎなかった。
N-ONE Tourerは、エンジン排気量が0.66リッターの軽自動車でも、排気量1.3リッタークラスの小型車以上の走りを実現できるという考え方を基に開発した」という。
N-ONE Tourerのエンジン性能は、最高出力が47キロワット/6000rpmにとどまるものの、最大トルクは105ニュートンメートル/2600rpmと軽自動車としては極めて大きい。
2600rpmという比較的低い回転数で105ニュートンメートルという最大トルクに到達するため、加速性能は排気量1.3リッタークラスの小型車を上回っている。
時速0~60キロの加速時間で比較すると、排気量1.3リッターのガソリンエンジンを搭載する小型車「フィット」が5秒後半であるのに対して、N-ONE Tourerは5秒強と上回っている。
N-ONE Tourerと、競合車種となるスズキの「ワゴンR スティングレー」のターボ搭載車種「T」、ダイハツ工業の「ムーヴ カスタム」のターボ搭載車種「RS」を比較してみよう。
車両名称 N-ONE Tourer ワゴンR スティングレー ムーヴ カスタム
エンジン最高出力 47kW/6000rpm 47kW/6000rpm 47kW/6400rpm
エンジン最大トルク 104Nm/2600rpm 95Nm/3000rpm 92Nm/4000rpm
最大トルクは、N-ONE Tourerが104ニュートンメートルと競合2車種よりも10%程度大きい。
2600回転という低い回転数で最大トルクに達する点でも有利だ。N-ONE Tourerは、市街地走行で多用されるアクセルペダル中間開度の加速度特性が排気量1.5リッタークラスの小型車に匹敵するという。
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